Case Studies

客様体験価値の向上とさらなる新事業の創出を目指すKDDI

KDDI satellite dish, representing conversational messaging channels used for customer interactions across the customer journey

オムニチャネルでの会話型メッセージングの導入により、顧客満足度が過去最高の90%を記録

目的:

お客さまをお待たせしないソリューション提供のために、メッセージングを導入。

通信事業をコアとして、コマース、金融、エネルギー、エンタテイメント、教育といった領域に広がるKDDIのすべての事業において、お客さまとのコミュニケーションの強化は同社の企業戦略である「ライフデザイン」に欠かせない要素です。 

LivePersonの会話型メッセージングを活用してデジタルチャネルの拡充を図ることで、KDDIではお客さま体験が向上し、CSAT(顧客満足度)は同社として過去最高の90%を達成しました。

現在、メッセージングは、顧客満足度においてつねにコールセンターを上回るばかりか、お客さまセンターで働く従業員の満足度向上や、担当オペレーターの離職率の低減にも大きな効果を生み出しています。


導入の経緯

現在、日本で使用されている携帯電話の総数は1億9,000万台超であり、すでに日本の総人口を上回っています。今後、台数の大幅な増加が見込めないため、KDDIでは、既存のお客さまの定着率と満足度を高めることに特に力を入れています。

LivePersonの導入以前、KDDIでは、お客さまからの問い合わせには電話とウェブサイトからの問い合わせフォームのみで対応しており、そのうち大半が電話という状況でした。メッセージングも、つねに検討項目の上位に挙がっていたものの、成功が保証されるだけのデータが揃っていない点がネックでした。 

そこで、LivePersonではKDDIに対して、すでに導入していただいているお客さまであるT-MobileとSkyをご紹介しました。

「T-MobileとSkyのコールセンターを実際に見学し、現場責任者やオペレーター、それに事業責任者にあたる皆さんからお話を伺った結果、弊社でもLivePersonの導入は十分に可能であるという確信が得られたため、ソリューションとして導入することを決めました」

~ 山内 利枝様
カスタマーサービス企画部マネージャー

また、KDDIがDX戦略において優先課題の1つとして位置付けているのが、現代の若者世代、つまり「電話しない世代」をサポートするための新たな方法を確立することです。 

「コールセンターへのお問い合わせは、若いお客さまの割合が少なく、比較的年長のお客様からのお問い合わせが多くなっています。従来、電話でお問い合わせをいただくお客様の場合には、ニーズにご対応するのは比較的難しくなかったのですが、若い世代のお客さまのニーズへの対応は難しいことが分かってきました。電話お問い合わせのご利用頻度そのものが低い上に、ご質問への回答に時間がかかったり、コールセンターの受付時間内にしか問い合わせができなかったりすることにご満足いただけない場合が多かったのです」

~ 山内 利枝様
カスタマーサービス企画部マネージャー

若い世代が通話の利用に消極的であることを受けて、KDDIではこうした世代がアプローチしやすいチャネルを拡充する方法を検討しはじめました。お客さま自身が、LINE、Apple Messages for Business、さらにKDDIカスタマー向けアプリなど、使いやすいチャネルを経由して、コールセンターのオペレーターとコミュニケーションができるようにするための取り組みです。  

KDDIのコールセンターでは、通話もしくはLivePersonのメッセージングをお客さまにお選びいただきコミュニケーションを取っています。さらに、auIDによる認証とリンクさせることで、お客さまのご契約状況に対応したコミュニケーションも可能になり、これもお客さま体験価値向上に貢献しています。ソリューションとしての信頼性に問題がないことも確認され、また、コールセンターのオペレーターの離職率を低減する効果も確認されました。  

KDDI timeline of messaging in Japanese

成果

これまでの成果は期待以上であったといえます。KDDIでは、各コミュニケーションチャネルについて、5段階評価の満足度調査を実施しており、このうちメッセージングについては、4または5をつけた高評価が90%超に達しました。これは、電話による対応と比較して10%以上高い数値です。ボットによる対応も、電話よりも高い満足度を記録しました。

お客さま対応以外でも、今回KDDIが注力したのは、従業員満足度の向上です。オペレーターにとって働きやすい環境を用意することで、結果的に顧客満足度にも好影響があるはずだと考えたのです。ここでも期待以上の成果がありました。オペレーターへの調査で分かったのは、メッセージングは電話と比較して、時間をかけて個々の質問を検討できるため、とくに苦情対応などで質の高い対応が可能になるということでした。結果的に、電話のみで対応している同社のコールセンターと比べ、オペレーターの離職率は1.5%低くなりました。

さらに、オペレーター個人のパフォーマンスを追跡してみると、ボットの導入によって生産性が2倍に向上することも判明しました。また、分野によってはメッセージングやボットの導入により、大幅なコスト削減にも成功しています。


将来の展望

Example of two-way conversations on messaging apps that KDDI enables for conversational messaging
スマホアプリ上でのLivePersonメッセージング利用イメージ

LivePersonをパートナーに選んだKDDIは、日本におけるお問い合わせ対応をマルチチャネル化すること、とくに、すべてのお客さまに対してメッセージングによる対応の比率を高めることが可能であるという確信を得ることができました。これは同社に大きな競争上の優位をもたらすはずです。

具体的には、KDDIは中長期ビジョンにおいて、電話対応が依然として大半を占めているお客さまのお問い合わせ対応について、約半数をメッセージングに移行することでお客さまの待ち時間を削減することを目標にしています。 

「LivePersonとの協業により、お客さま満足度を大きく改善できてとても喜んでいます」

~ 羽鳥 裕樹様
Messaging PlannKDDI パーソナル企画統括本部 カスタマーサービス推進部 メッセージ企画グループ

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